ほぼ全員が中流とも言える日本では階級や差別をほとんど意識しなくて済むが、諸外国ではそうはいかないらしい。
タイもその一つで厳しい階級社会となっているそうなので、階級意識のない日本人の我々だからこそ、その存在に注目する必要があると言えるだろう。
タイは厳しい階級社会!
タイという国は厳しい階級社会で成り立っているという。
高級官僚や高級軍人が最も上で、次に中間層があり、下は大卒会社員、高卒労働者、店員と続く。そしてその下に最下級の非熟練労働者や農民がいて、娼婦などは問題外の下の下だそうだ。
我々日本人にも階級意識や差別意識があるが、そんなのは諸外国に比べると微々たるもので、タイを含めて諸外国のそれは大変なものらしい。
見栄やプライドは階級社会が求めるニーズだから?
タイ人のコミュニティは横のつながりが強いが、他の階級との縦のつながりはほとんどないそうだ。つまり、同等の階級にいないと付き合っても貰えないということだ。
そのため、日本人の駐在員は異常に高価なコンドミニアムに住む。上流階級に属していることを示さなければタイ人の経営者達と渡り合うための土俵にさえ立てないからだ。
このように、自分がどの階級に属しているかは具体的にアピールしなければならないそうだ。つまり、密かにお金持ちであっても誰からも認められないのだ。
そのため、高価な装飾品を身につけたり高級車を乗り回すのが上流階級のタイ人の習わしになっているという。例えば、ベンツなどは自宅よりも高価なのだが、食費を削るほど無理をしてでも購入する人がいるそうなのだ。
タイ人が異常に見栄っ張りでプライドが高いのは、階級社会が求めるニーズのようだ。
階級の定義について
東京大学社会科学研究所の末廣昭教授は、タイの中間層を次のように定義していた。
1.専門職・自由職、技術職、国営企業や大企業のホワイトカラー(中間管理職以上)、または中級以上の公務員、自営業者など
2.月収が2万~3万バーツ以上ある世帯で、自家用車、携帯電話、家電・OA機器、土地付きの自宅などを所有
3.大卒または短大卒以上の高等教育を受けた階層
月収は10数年前の数字だから、現在は倍くらいになっているのだろうか?
だとすると、車と自宅がなくて月収が約3万バーツの私は中間層にも入れないのかもしれない。
階級は男女の交際にも影響する
階級社会のタイでは、異なる階級の異性と出会う機会も極端に限られているという。
また、付き合う相手の階級で本人の階級も推測されるから、娼婦たちと深いつながりがある人も「娼婦階級」とみなされる恐れが大きいそうだ。
だとすれば、タイ人女性を買う日本人は「娼婦階級」とみなされて軽蔑されている可能性が大いにある。
私は階級社会に組みしない!
それでは、私はタイの階級社会の中でどのように生きていけばよいのだろうか?
私の収入からすると中間層以下の人にしか相手にして貰えないだろうが、私はそれで一向に構わない。しかし、もしも上流の人と交流する幸運があればその関係を大切にしていくとしよう。
つまり、来るものは拒まず去るものは追わないという自然体だ。
そもそも、お金持ちであるかどうかで人を差別するなんてバカバカしいことだから、私自身はタイの階級社会に組みしようとはせず、階級意識や差別意識を持たない日本人として誇りを持って生きていくとしよう。