コ・クレットはバーン・カチャオに勝る?
バンコク近郊にはチャオプラヤー川の蛇行でできた島が2つある。1つはノンタブリー県のコ・クレットで、もう1つはサムットプラーカーン県のバーン・カチャオだ。
島の大きさもバンコクからの近さもバーン・カチャオの方が勝っているのだが、ネットを見た感じではコ・クレットの方が圧倒的に人気があるようで、それは、焼き物とお菓子と地ビールという特産物があるからのようだ。
バーン・カチャオの自然の素晴らしさはすでに体験しているので、それに勝る人気のコ・クレットの素晴らしさもぜひ見たいと思って行ってみることにした。
コ・クレットへの行き方
コ・クレットまでチャオプラヤー川のボートで行ければ最高だと思ったのだが、残念ながら途中までしか行っていないようなので、地下鉄とバスで行くことにした。
まずはMRTの終点のタオプーンまで行き、そこから100m余り離れたバス停で505番のバスに乗り、終点まで行く。
バス代は17バーツだったので、MRTと合わせて約50バーツというところだろう。途中はかなり渋滞があったので、バスの乗車時間は1時間に近かった。
船着き場はワットサナムヌア(Wat sanam nuea)というお寺の奥にあって、バスの終点からは500m余りある。だから歩けば15分というところだが、途中からバイクタクシーで行くこともできる。
島に上陸して自転車を借りる
島側の船着き場までは川を横断するだけだからほんの数分で到着だ。
そこで船賃を徴収しているので4バーツを支払う。
島は1周約6kmだというから無理なく歩ける距離ではあるが、爽快な気分を味わおうとしてレンタサイクルを借りることにした。レンタル料金は50バーツだから平均的で、自転車の程度もごく平均的だった。
走り出してしばらくすると道路はコンクリート製の浮道になって、沼地のようなところに多くの水上家屋があった。
浮道は地面もしくは水面から2m弱の高さで手摺も何もないから、よそ見などしないように気を付けて走らないと転落の恐れがある。
道幅は狭いところでは1mちょっとしかないが、それはほとんど私道みたいなものだった。そこに入り込むと何匹もの犬の吠え声という手痛い歓迎が待っているかも知れないので、私と同じにならないように注意が必要だ。
もうちょっと広い道幅は2m程度だが、これも途中で行き止まりになる可能性が少なからずある。
サイクリングにならない!
だから、確実で安全なのは道幅が3m以上の道路しかなく、それはつまり島のメインの周回道路1本だけだった。
だが、その道路上にも速度制限のために各所に段差が設置してある。
対向車線もない1車線の道路でしかも段差もあるとなれば、安全のために時速10~15㎞でゆっくり走るしかない。
これではただのポタリングでサイクリングにはならないので、サイクリング愛好家は失望しかないだろう。
島の大半は荒れ果てていた!
自転車で1周した私の感想は、この島は西半分を中心にして大半が荒れ果てているということだ。
多くの家は古くておんぼろで、そして半数以上が閉まっていた。
家のあるところ以外は草原か沼地で、あまり人の手が入っているようには見えず、周りを見渡してもいるのは私1人で、後は草木が風に揺られているだけだった。
静けさがあって田舎感覚が味わえると言えば聞こえは良いが、ただの荒れ地が広がっているだけと表現する方が正しいと私は思う。
島の入り口だけで満足?
ネットの情報と実際とがこれほど違うと感じるのは私にとって初めての経験だ。
こんなに落差があるのはどうしてかと考えると、他の人は実際を見ないで記事を書いているとしか私には思えない。
つまり、週末の賑やかな時に島に来て、 1~2時間ほどぶらついて島の入り口周辺を回り、食事をしてお茶をして土産物を買っただけで満足して帰ったのではないだろうか?
そして、自然が豊かでサイクリングが気持ちいいというのは、他の人の記事の受け売りでしかないような気がする。
コ・クレットでの不満解消にはバーン・カチャオがオススメ!
週末に来て食事とお茶と地ビールと土産物を楽しむのならば、コ・クレットでも大いに楽しむことができるだろう。
でも、豊かな自然とサイクリングを楽しもうと思うならば、コ・クレットではどうしても不満が残るに違いない。
それを解消したければバーン・カチャオに行くべきで、道路状況がぜんぜん違うから思い切り自転車を走らせることができるはずだ。
また、木々が生い茂って池がある公園や、ホタルを見れるスポットもある。
そして、泊まってみたいと思えるおしゃれなホテルも何軒かあるのだ。
コ・クレットでの不満解消にはバーン・カチャオがオススメだ!