今も残るプラカノン運河ボート
昔のバンコクは運河が縦横無尽に走っていたので、水の都と呼ばれるほど水上交通が盛んだったそうだ。
陸上交通が盛んになった今ではそれらはほとんど残っていないが、名残りと言えるものも少しはあり、その一つがプラカノン運河ボートだという。
これはプラカノンとシーナカリンを結ぶ路線で、所要時間は約30分で料金は15バーツだそうだ。平日は毎時の運行だが、週末は8時から16時の間で2時間ごとの運行だという。
これらの情報をネットで得た私は、それを体験してみようとプラカノンに向かった。
プラカノンまではバスがオススメ
スクンビットでMRTを降りた私は、プラカノンまではBTSでなくバスで行こうと考えた。それは、プラカノン駅よりもバス停の方がはるかにプラカノン埠頭に近いからだ。
したがって、ジャスミンシティビルまで歩いて、そこでバスを待った。待つバスは2番と25番と38番と48番と98番とがあるので、10分までは待たないだろう。
BTSプラカノン駅のバス停の次がプラカノン運河ボートの最寄りのバス停だ。
そこまでの乗車時間はおよそ30分。
バス停を降りて橋に向かえば200メートル弱の歩きでプラカノン埠頭になる。
(ちなみにプラカノン駅からだと800メートルの歩きが必要だ。)
優雅なプライベートクルージングもどきがたったの15バーツ?
埠頭に停泊していたのは定員が20名ほどとみられる木造の綺麗なロングテールボート。しかし、乗客は10人足らずなのでどこにでも自由に座ることができた。
定時になるとボートは出発して、ゆっくりと優雅に川の上をすべるように進んで行った。
ゆっくりだからエンジン音がうるさくなく、そして波もあまり立てないから川面は鏡のように落ち着いている。それでも心地よい風を感じるくらいにはスピードを出している。
川はかなり蛇行しているから、景色はスライドショーのように入れ替わって飽きなかった。
最初は高層ビルのある都会の風景だったが、気が付くと周りはローカルな雰囲気に一変していて、とてもバンコクとは思えないようなのどかで気持ち良い風景になっていた。
両岸の水の上には地域の人たちの住まいがあって、ゆったりと暮らしている雰囲気が感じられたが、平日の日中のせいか人影はまばらに認められるだけだった。
乗客は私以外はすべて地元民だったため、終点に着いたときの乗客は私1人だけだった。
結果的にはプライベートクルージングとも言えるショートトリップなので、その料金がたったの15バーツではとっても申しわけないような気がした。
だから、私は両手を合わせてワイをして、感謝いっぱいでボートを降りた。
プラカノン運河ボートは絶好ポイントだ!
プラカノン運河ボートでそのまま帰っても良かったのだが、それではつまらないと思った私は145番バスでシーナカリン通りを北上してザ・モール バンガピに向かった。
そして、今度はセンセープ運河ボートに乗って帰途に着く。
その結果わかったのは、センセープ運河のボートは汚い・うるさい・忙しい・混むだが、プラカノン運河のボートはきれい・静か・ゆったり・空いているということだった。
つまり、ボートに乗って風景を楽しむという観点で見ると、プラカノン運河のボートが全てにおいて勝っているのだ。
だから、もしもあなたに時間があって予定が無い時があるならば、誰も知らないこの絶好ポイントをぜひとも体験して頂きたいと思うのだ!